2006年09月05日

そんなに私は偏屈か

 芥川賞(「八月の路上に捨てる」)が全く物足りなかった(こっちはメシを食うつもりでテーブルについているのに、出てきたのはかっぱえびせんだった、というような感じだ)ので、直木賞とはどんなものだろうと、今回初めて読むべく「オール読物」を買いました。全文掲載されていないことにはうんざりさせられましたが、それはまあ良い。

 「風に舞いあがるビニールシート」は6編の短編から成っているようですが、表題作の始め5行の迫力は、ここ数年の芥川賞にも無いものでした。こちらの方が作品としてはよほど芥川賞に相応しいものではないかと感じました。
 最後の一シーン(一ページちょい)が下手で、特に最後の一行が致命的で、(予想された結末とはいえ)がっかりさせられたことは間違いないが、しかし全体としては作品から魂が感じられた。キャラもしっかり立っているし、底力のある文章だと感じました。
 その勢いでもう一編を読んでいる途中です。途中だからわからないが、今のところ惹かれるものはない。
 受賞作のもう一作の方は、これも途中ですが、BLくずれの冗長な展開にいい加減で辟易してます。どのみち全文読むことは叶わないですが、掲載分を全て読んで続きを読みたいと思えそうにない。

 私の好みは極端で狭いものですが、求めているのは文学だと信じています。私が文学というのは、明治大正の文豪と呼ばれる人達が書いた作品を指すのではなく、出方はどうであれ賞賛に値する熱い魂の迸った作品を言います。
 現代においては映画や漫画に当たる方が文学に出会うことが多く、小説からそれを汲むには、大方のところ結局はすでに死んでいる人の作品に当たるしかないのかと思うと、個人的には寂しい。自分が今生きている時代に背を向けているようで。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/23368732

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。