母 「ダイエーちゃうで、」
私 「分かってる。ソフトオンデ――!」
母 「は?」
なんでもありません。
私は牛丼屋に行くときは大抵M屋に行くのですが、それは地理的な事情からであって、本当に好きなのはS家なんですね(他の2店舗はみそ汁がついてないからほとんど行かない)。で、今日は自転車で散策していたら偶然S家を見つけたので、久しぶりに入りました。
S家といえばサラダセットですよ。まずこれしか食わないですから。入って座って店員が水と茶の中間の液体を運んでくるまでの2秒でメニューを見て、店員Aが「お決まりになりましたら…」のお決まりの捨て台詞を吐いて去りぎわの背中に「サラダセット並で」とつぶやく。M屋の食券機の前でもたもた悩むことに慣れてしまった自分には一仕事だ。
今日に限って、店員Bがご飯に具を盛るさまが、いやにはっきりと目に映った。まるで時が止まったかのように。あとから思えばあるいはこのとき本能で察知していたのかもしれない。
店員Aがサラダセットを持ってくる。計ってはいないが恐らく私が店に入ってからまだ20秒もたっていない。
目の前のものを見て、何か違和感を感じる。気のせいだと、紅しょうがをのせる。M屋のより色が薄いし、つかみやすい。色は前より薄くなった気がする。いいことだ。
箸を割る。いただきます。一口。
なにかおかしい。二口。やっぱりおかしい。もう一口。
自分はメニューを見た。サラダセットに間違いない。・・・!?
牛丼だー(泣)
俺が食べたかったのは豚丼だー (叫)
一杯食わされた。
と書いたら、「それが言いたかっただけかい」と思われるかもしれないが、豚丼(ていうか豚が)好きなんだもん(凹)。でもここは牛丼屋であって豚丼屋ではないから、文句は言えないだろう。第一もう箸をつけてしまった。
(法律の話をすれば、錯誤無効 (民法95条)にあたるか否かの問題だが、これは動機の錯誤か表示上の錯誤かの限界事例ではないか。私が豚丼を意図して言わなかったなら動機の錯誤であり(錯誤の主張は認められず)、単に「豚丼の」と言い忘れただけだと考えれば表示上の錯誤になる(そして「要素の錯誤」にあたる)と説明されるが、この場合は区別がつかない。
店員Aは店員Bと楽しく喋っている。この牛丼は豚丼うんぬん抜きで、ふつうにおいしくない。私は豚丼が売られるようになってから、今まで一杯も牛丼を食べたことが無かったことに気付いた。
牛丼屋さんへ。牛肉解禁されても豚丼なくさんといてくださいね。値段高くても私は豚の方を食べます。
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