※この先ネタバレありますので注意してくださいませ。
この映画のコピーに「恋人は弱虫の魔法使い」とかいうのがありました。しかしハウルはとても優れた魔法使いで、誰にも心を開かずにやっていける。めっちゃ強いやん。
・・・と言ったら、観た人には皆否定されました。
複数「誰にも心を開かないで、誰のことも信じないで生きるというのが弱虫なんだ」
私 「そうかなあ」
複数「LGみたいに他人を信用したりできるのは、強い人なんよ」
私 「なんでさ。他人を信じるってことは、依存してるってことだから、その方が弱いんじゃないの」
複数「それは違うよ」
どうも納得いきませんが、複数の他人からそのように言われては、そんなものかと思うしかない。
それと観ていて腹が立ったのはソフィーです。魔法でおばあさんにされてしまう主人公の少女なんですが、頼まれもしないのに勝手に他人の城を掃除しまくって、しまいには「この城がいけないのよ」みたいなことを言って、城をまるごと潰してしまいやがります。何すんだってね。まぁこの城というのはいわゆる「城」でもあるので、私に言わせれば他人の心の中に土足で踏み入って叩き壊したようなものです。恋心と言葉で表せない感情でもって魔法をも突き破るのは結構ですが、他人を巻き込むのは良くないねぇ。
・・・と言ったら、これもまた的を射ない感想だ、と言われました。
なぜソフィーに腹が立つのか考えてみると、自分がソフィーと性格が似てるからだということに気がつきました。そして私は頼まれもしないのに他人に恋心と言葉で表せない感情でもって他人の心に踏み込んだ経験が複数回あります。つまりソフィーを実地でやっていたわけです。当たり前のことですが、ほとんどが失敗でした。そうなったらもう目も当てられませんから。
なぜハウルが弱虫ということになるのか、なぜソフィーがマルクルにまで慕われるのか、全然分かってない人間の言うことですが、一つだけ言えることは。
あんなにうまくいくことなんて、まずありません。現実では「おまえウゼえんだよ、くそばばあ!」と罵声を浴びせられて城から蹴り飛ばされるというのがオチです。タイトルは「風雲! ハウルの不動の城」で(笑)
別にひがんでいるわけではありませんよ。物語は物語だし、作者は別にめでたしめでたしが言いたいわけではないということは、あのとってつけたようなハッピーエンドからも明らかです。
それに、成功した場合はあそこまでとことん成功するというのも、それはそれでリアルだと思います。まぁ「あんなの10回中9回は大失敗だ。残りの1回がたまたま最初に来ただけだ」というところが妥協点でしょうか。 (ディフェンス1031)
世の中にはソフィーみたいな人間よりはハウルみたいな人間の方が余程多いから、映画として受け入れられるのだと思います。で、「弱虫」な方にききたいのですが、ソフィーみたいな人がいて、ああいうことをされたら、受け入れられます? ナンセンスだと分かっていても、聞かずにはいられない。
うちの母はプライドが高いのか何か分かりませんが、あくまでも見てない振りを貫いてましたが、ふとしたときにポロっとこぼれるんですよね。そういうのって。あとエロ本がなくなってなり。どこやってん! ていう(笑)
自分がいないとき、っていうのが嫌ですね。いてても嫌ですけどね。