内田水菜(以下、水菜)「やめてよ先生だなんて。水菜さんでいいわよ」
LG「…水菜さん、お久しぶりです」
水菜「元気そうね。今日は?」
LG「はい。ユンケルを買いに」
水菜「野暮ねえ。何に使うのよ」
LG「山登りするつもりなんで、備えとこうと思いまして」
水菜「昇るのはベッドだけでいいわよ」
LG「は?」
水菜「二段ベッドなのよ」
LG「はあ。…それで先生は、何を?」
水菜「そうね。LG君がユンケルなら、リゲインでも構わないんだけど、今日は香水を買いに来たのよ。」
LG「香水ですか…」
水菜「あら。女がなぜ香水をつけるか知ってるかしら?」
LG「自分の体臭を消すためですよね」
水菜「それじゃ逆よ」
LG「え?」
水菜「香水は、自分の匂いを相手に残すために使うのよ」
LG「そうなんですか?」
水菜「試してみる?」
LG「何するんですか!?」
水菜「……と。あなたの服の左の袖を嗅いで」
LG「香水の匂いしか…」
水菜「しないと思うでしょ」
LG「はい」
水菜「でも、その服を洗濯して次着た時、私の匂いがするのよ。もっとも・・・」
LG「何ですか?」
水菜「いいえ、何も」
LG「その香水は?」
水菜「これ? これはバーバリーのウ――。」
LG「バーバリーの」
水菜「そうよ。…長くなったわね。じゃあ行くわ」
LG「あ、はい。ありがとうございました」
***
――あなたが汗をかけば、私の汗の匂いがするのよ。
そうやって、あなたの全ての服に染みこませればどうなるか――身動きがとれなくなるのよ。あなたは勿論、その頃になれば私も。