荷物は二日目(1)・(2)でした。どれくらいかというと、20kgのみかんの箱が70〜80ほどでしょうか。東京ドーム何個分という例えと同じでどれくらいかピンと来ないと思います(書いていて自分がピンと来ない)が、冷静に考えてオーバーには書いてません。
そのためペーペーの下っ端にも関わらず朝イチからブチキレの不機嫌で過ごすことが暗黙に容認されました。最近道Fに変わって天敵となった万年二日目ヒステリー酔いどれ女(以下略して酔いどれ)も黙ってました。それでもたとえば道Fが同じ状況に置かれた場合よりははるかに大人しいもので(道Fがうるさいというより、自分がまだまだ大人し過ぎる)、それがため欲求不満にもなりました。
そんな調子でツンツンしてたら、開店後ほどなくして術師が詫びてきました。互いに手は仕事しながら、話しはそこから意外な方向へ流れます。
術師「LG君、今日は遅れてごめんなさい」
LG「(ストレートに謝ってきたときだけ許そうと思っていた、なんて考えてるあたりが甘いんだ俺は)いえいえ」(でもまだ声は少しとがっている)
術師は言い訳を交えてきました。
LG「いや、一人で(早朝から20kgのみかん箱にして7,80も)運ばされたという感情的な問題はいいとしても、一応朝の荷受けに責任者がいないっていう(いい加減さ)のがちょっとどうかと思いましてね(そう思っていたのは事実)。やっぱ術師さんに来てもらわないと、僕はペーペーの下っ端ですからね」
術師「それなら君が上に上がれば良い」
あまりにも平然とした口調に虚を衝かれました。
LG「え?」
術師「君が社員になれば良い。簡単なことだ。ハンコ押すだけだよ」
何事も無いように棚の整理を続けている術師の背中を思わず振りかえりました。
それは適当に断ってから、この機会に以前から持っていた疑問をぶつけてみました。
LG「術師さんこそなんで社員になりはらへんのすか(東京では「社員におなりにならないんですか」と言うんだろうか?)。」
術師「(笑)俺はいいよ」
LG「社員よりももの知ってはるのに」
術師「そこやねん。それが理由やねん。 それで分かるやろ」
ちっとも分からない。
術師「『どうしたいねん』って、前に一回(店長に)聞かれたことあるけど」
LG「どうだったんですか?」
術師「『どうしたい』というのは無いから、答えられないんよね」
一回ではないと思いました。
LG「社員になりはったら良いじゃないすか」このときは同じことを繰り返してるという意識は(互いに)なく。
術師「それはあかんわ。俺にはその資格がない」
確かに今日遅刻するようでは話にならんわな、と、上司だったら言ってるところですが。
そのあとも二言三言交わしましたが、会話をたたんだだけでした。
術師は年齢不詳ですが、外見からして32〜5前後といったところでしょうか。人を見る目には全く自信がないのでさっぱり分かりませんが、とりあえず自分より3以上は上であることは間違いありません。掴みどころのない術師の言葉を反芻しながら、自分は何がしたいんだろう、という月並みなことをその後2時間ほど、仕事しながら考えつづけることになりました。
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